*ビソルボン吸入液0.2%


作成又は改訂年月

**2009年9月改訂(第7版)
2008年12月改訂

日本標準商品分類番号

872234

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
1999年3月

薬効分類名

気道粘液溶解剤

承認等

販売名
*ビソルボン吸入液0.2%

販売名コード

2234700G1051

承認番号
*22000AMX02030000
商標名
Bisolvon Inhalant Solution 0.2%

薬価基準収載年月

*2008年12月

販売開始年月

1991年7月

貯法・使用期限等

貯法
気密容器、遮光保存
開栓後汚染に注意
使用期限
外箱、容器に使用期限を表示

組成

成分・含量
1mL中ブロムヘキシン塩酸塩 2mg
添加物
酒石酸、パラオキシ安息香酸メチル

性状

剤形
吸入液
性状
無色澄明の液
pH
2.5〜3.5

一般的名称

ブロムヘキシン塩酸塩製剤

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果/用法・用量

効能・効果

下記疾患の去痰
急性気管支炎、慢性気管支炎、肺結核、塵肺症、手術後

用法・用量

通常、成人には1回2mL(ブロムヘキシン塩酸塩として4mg)を生理食塩液等で約2.5倍に希釈し、1日3回ネブライザーを用いて吸入させる。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

重要な基本的注意

気管支分泌物が増量することがあるので、観察を十分に行い、自然の喀出が困難な場合には機械的吸引又は体位変換などの適切な処置を行うこと。

副作用

副作用等発現状況の概要

臨床試験及び市販後の使用成績調査での調査症例7,610例中副作用が報告されたのは30例(0.39%)であった。主な副作用は嘔気11件(0.14%)、咳嗽6件(0.08%)、咽頭痛6件(0.08%)、呼吸困難5件(0.07%)等であった。また、臨床検査値においては特に一定の傾向を示す変動は認められていない。

重大な副作用

**ショック、アナフィラキシー様症状(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー様症状(発疹、血管浮腫、気管支痙攣、呼吸困難、そう痒感等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

呼吸器系
0.1%未満
咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、喘息発作、喘鳴、咽頭刺激感、咽頭異和感
消化器
0.1〜5%未満
嘔気
消化器
0.1%未満
胃部不快感
消化器
頻度不明
下痢、嘔吐
精神神経系
0.1%未満
頭痛
過敏症注)
0.1%未満
発疹
過敏症注)
頻度不明
蕁麻疹
その他
0.1%未満
血痰

その他の副作用の注意

以上のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
注)発現した場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

適用上の注意

1.
患者に使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。
2.
本剤はアレベール、アセチルシステインナトリウム液等との配合で白濁を生じるため、これらの薬剤との配合は避ける。

その他の注意

1.
動物実験で大量を長期間にわたり連続投与した場合に血清トランスアミナーゼ値の上昇することが報告されている。
2.
喀痰量の一時的増加を来し神経質な患者では不安感を訴えることがある。

薬物動態

吸収・分布・代謝・排泄(参考)
14C-標識ブロムヘキシン塩酸塩を吸入投与したとき、投与直後に血中に低濃度の放射能が検出され、8時間で最高血中濃度に達し、その後ゆっくりと低下した(ラット)。また、吸入投与後5分では食道の濃度が最も高く、気管の濃度がそれに次ぎ、その他胃内の濃度が高かった。投与後30分には食道及び気管の濃度は半分以下に減衰するが、胃内濃度は最高に達し、また投与後8時間には大腸内濃度が最高に達した(ラット)。ブロムヘキシン塩酸塩の尿中主代謝産物はシクロヘキシル環の水酸化体及びN-脱メチル化体である(ウサギ1))。吸入投与したときの72時間までの尿糞中総排泄についてみると、糞中への排泄がやや多いが、両者の比は1:1に近かった。この成績は経口投与したときと、ほぼ同様である(ラット1))。

臨床成績

慢性気管支炎を対象に群間比較試験(封筒法)を実施した結果、本剤の有用性が認められた。2)
この群間比較試験を含む国内47施設、総計289例について実施された臨床試験成績は次のとおりであった。2〜9)
投与対象:急性気管支炎
有効例数/効果判定例数:34/47
有効率(中等度改善以上):72.3%
投与対象:慢性気管支炎
有効例数/効果判定例数:93/120
有効率(中等度改善以上):77.5%
投与対象:肺結核
有効例数/効果判定例数:35/42
有効率(中等度改善以上):83.3%
投与対象:塵肺症
有効例数/効果判定例数:9/13
有効率(中等度改善以上):69.2%
投与対象:手術後
有効例数/効果判定例数:40/52
有効率(中等度改善以上):76.9%
有効例数/効果判定例数:211/274
有効率(中等度改善以上):77.0%

薬効薬理

1.
漿液性分泌増加作用
Perry及びBoydの方法により、漿液性分泌増加作用が認められている(ウサギ10))。また、走査電子顕微鏡により形態学的に観察した試験で、気管支粘膜及び粘膜下気管腺の分泌が活性化し、漿液性分泌の増加が認められている(イヌ11))。
2.
酸性糖蛋白溶解・低分子化作用
健康成人において、酸性糖蛋白の線維網が溶解低分子化することが顕微鏡下に認められている12)。この作用は、気管分泌細胞内で発現し、その機序は、リゾゾーム顆粒から遊離されたリゾゾーム酵素が関与すると考えられている(イヌ13))。
3.
肺表面活性物質の分泌促進作用
肺胞II型細胞内層状封入体(ラット14))及び肺のリン脂質含量(ウサギ15))の増加が認められている。
4.
線毛運動亢進作用
in vivo吸入投与試験(ウズラ16))において、気道粘液線毛輸送運動を著しく促進させるとともに、摘出気管を用いたin vitro試験(イヌ17))において、線毛運動の振幅及び運動数の増加をもたらすことが認められている。また、口蓋粘膜(カエル18))において線毛による粘液の輸送速度を増加させることが認められている。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
ブロムヘキシン塩酸塩(JAN)
Bromhexine Hydrochloride(JAN)
Bromhexine(INN)
化学名
2-Amino-3,5-dibromo-N-cyclohexyl-N-methylbenzylamine monohydrochloride
化学構造式
raster
分子式
C14H20Br2N2・HCl
分子量
412.59
性状
・白色の結晶又は結晶性の粉末である。
・ギ酸に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール(95)に溶けにくい。
・飽和水溶液のpHは3.0〜5.0である。
融点
約239℃(分解)

取扱い上の注意

本剤は吸入用にのみ使用し、内服用として使用しないこと。

包装

*ビソルボン吸入液0.2%:45mL瓶、500mL瓶

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Kopitar Z et al:Europ J Pharmacol21:6,1973
2)
滝島 任ほか:Therapeutic Research10:1063,1989
3)
滝島 任ほか:呼吸8:82,1989
4)
三笠桂一ほか:基礎と臨床22:5028,1988
5)
森口敏勝ほか:基礎と臨床23:2438,1989
6)
田村昌士ほか:薬理と治療17:1777,1989
7)
三浦一樹ほか:基礎と臨床23:2423,1989
8)
寺田 康ほか:Therapeutic Research10:1621,1989
9)
垣内成泰ほか:基礎と臨床23:2479,1989
10)
Engelhorn R et al:Arzneimittelforschung13:474,1963
11)
原田康夫ほか:耳鼻臨床69:553,1976
12)
Bruce R A et al:Br J Clin Pract22:289,1968
13)
柳浦才三ほか:Jpn J Pharmacol33:455,1983
14)
Gil J et al:Respiration28:438,1971
15)
Wichert P V et al:Pneumonologie144:323,1971
16)
宮田 健ほか:社内資料 肺クリアランスに対する効果
17)
Yanaura S et al:Jpn J Pharmacol31:957,1981
18)
長岡 滋ほか:Therapeutic Research10:1087,1989

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
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